ガリガリな僕の逆転体型改造プラン
テレビドラマを地で行くような出来事があり、僕に友達以上恋人未満という感じのガールフレンドができた。その人は本当に可愛くて、一緒に歩くと通り過ぎる人が不思議そうに僕の方を見るほどだ。確かに僕は冴えない。分厚いメガネで服装は秋葉系。ガリガリで体型を隠すためにわざとダボダボのチノパンを履いている。痩せている人でも顔がよくておしゃれであれば、スリムなジーンズを着こなしたりするのだろうが僕はまるでドラえもんののび太だからそれも無理だ。こんなガリガリな僕と会ってくれる彼女は本当に天使のように優しい人だと心から思う。
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でも、彼女の優しさに甘えているだけではいけない。彼女と出会えたことだって奇跡なんだから、ガリガリの僕がたくましい、男らしい体になる奇跡だってありえないことはないではないか。小学校時代の同級生で、肥満児ゆえに僕とおなじようにいじめられっ子だった加藤君は、高校生の時にどうやったのか痩せて、今でもそれを維持している。先日駅前で見かけたときは女の子を連れていたからあれは彼女だ。彼が体型改造できたのだから、僕の逆転体型改造プランだってあるはずだ。
そう思った僕は、インターネットや本屋でカラダづくりに関する情報を集め始めた。男らしい筋肉質な体をつくるためには、良質なたんぱく質を摂り、効果的な筋トレを行うことが必要だ。書店で栄養と料理レシピについて書かれた書籍を買い、母親に正直に話して協力を願った。最初は驚いていた母も、笑顔で協力を約束してくれた。その後僕はメガネをコンタクトに変え、そのままの勢いでスポーツジムの扉を叩いたのだ。
カウンセリングを担当してくれたインストラクターの男性は、僕を一目見るなり微笑んで「あの人みたいな身体になりたいのではないですか」と話しかけてきた。その人が指さした先には、トレーニングを行う屈強な男性の後ろ姿。彼も半年前まではガリガリだったと、小さな声で教えてくれた。